私がかなり前から、体の使い方で強く疑問に思っていたこととして、
・どうすれば、縦に長い人間の身体で、上肢から
水平方向に大きい力を出せるのか?
ということがありました。
これは特に、打撃系の武道(伝統空手)を昔少し習ったときに湧き上がってきた疑問で、そのときやっていた「基本」では、前屈立ち・後屈立ち・騎馬立ち等、とにかく腰を落とすことが強調されていました。
しかし、縦にかなり長い人間の身体では、仮にいくら腰を落として脚でふんばって(身体のかなり下のほうで力を出して)支えようとしても、力を最終的に伝える上肢は身体の上のほうにあるので、これではどうしても限界があるのでは?というのが、感覚的な疑問として常にありました。
(これは突きのような素早い動きでなくとも、例えば重いドアを押したり、逆に何かを思い切り引っ張る、という、より静的な動作でも同じ)
・・・とはいえ、「腰を落としてふくらはぎや腿前の筋力でがっちり身体を支える」という以外の発想が当時の私に湧くことは無く、そのままつい最近まで来たものです。
この点について現在は、自分なりの仮説が生まれており、具体的には、
・腹の中(恐らく腸腰筋)や裏転子を効かせる(できるだけセンターが浮かび上がるようにする)立ち方で、体幹部の重みを感じる。
(太腿骨をプラッと垂らすようにする)
このとき体幹部が、実体的には2つの小さい「点」(股関節に荷重がかかる点)で支えられ、フヨフヨとした感覚が出てくることが望ましい。
・このフヨフヨ状態のまま、(前に力を出す場合には)脚を上手く崩して体幹部を前に自然に進める。
そして、体幹部の重みが移動することで生じる勢いを、上肢から目標に対して伝える。
(このとき更に、肋骨と肩甲骨周りをずらす(間の筋肉が自然に引っ張られる)ことができると、更に力が出しやすい。
また、肩甲骨と肋骨の間の筋肉がほぐれる感じがして気持ちが良い。)
といったやり方をすると、身体の重みの移動を水平方向の力として上手く使うことができ、重いものを押したり引いたりするときに非常に便利、と感じています。
(突きの場合は、更に重みを左右で別々に動かすことも必要かと思われるが、これはまだ確認不足。
また力を出し続ける場合には、脚のポジションを上手く取って踵で押す必要がある。)
これは「腰を落として脚の筋力でがっちり身体を支える」のとは、全く違う方向性(むしろ筋力を抜くことで水平方向の力を出しやすくなる)であり、これまで腹の中を使うことに取組んできたことで、身体の重みが明らかに取り回しやすくなった、と感じます。
また今になって思い返すと、空手の(外見的には)腰が低い立ち方も、本当は全く同じことを要求しているのでは・・・という気もしていますが、既に縁の無い現在ではとりあえず「脱力して体幹部の重みの移動を利用する」ことは、もの凄く便利であることは間違い無いと感じています。
(ただやはり現状では、理想的な状態には程遠い)